タイトー 『スペースインベーダー』の修理

最近多い『スペースインベーダー』系基板の修理日記です。これで5枚目ですが『ギャラクシアン』以降とは違う基板の構成をしているので、いつまで経ってもあまり慣れない気がします。

今回の基板はインベーダーの移動音が変です。具体的には4音ある内、2番目が1番目より高い音がしています。インベーダーの移動音がどうこうというのは最初に直した『パートII』を思い出します。

インベーダーの移動音は回路図上ではSTEPと表記されています。

関連しているLM3900は総合ボリュームのみです。

裏面に交換された跡があったので、「このアンプのメーカー違いが引き起こしている可能性もあるのではないか」と思い交換してみました。音量は大きくなりましたが音程は変なままでした。

音を出しているIC26の556を調べても音程は変だったので、これよりも手前でしょう。

回路図を見るとIC19の74174からIC20の7417と抵抗を介して4つの信号(SX6/SX7/SX8/SX9)が556へと来ています。順当に考えると4つある移動音はそれぞれSX6/SX7/SX8/SX9となり、2番目の音が変だとなるとSX7の抵抗値がおかしいということなります。

それに該当するのはSN76477の左にある抵抗群です。正常動作している基板で抵抗値を調べると一番左から
・1kΩ (SX6 from 7417)
・1kΩ (SX7 from 7417)
・1kΩ (SX8 from 7417)
・1kΩ (SX9 from 7417)
・20kΩ
・20kΩ
・68kΩ
・100kΩ
・82kΩ
となっています。

ただ今回の基板は左から7番目、68kΩが付いているべき所に20kΩの抵抗が付いていました。確かに音が高くなる訳です。隣の20kΩをそのまま間違って付けてしまったとしか思えません。

抵抗を68kΩへ交換するとインベーダーの移動音は正常になりました。先日直した『ルパン三世』に続き、タイトーの製造ミスの可能性が非常に高い基板でした。

【作業内容】
・抵抗交換
・LM3900交換(不要)