タイトー 『ルパン三世』の修理

画面が反転しっぱなしの『ルパン三世』を預かりました。

確かに『スペースインベーダー パートII』とは上下が逆に出ています。DIP2-4がフリップですが、どちらへ入れてもこの向きに出ているので何らかの故障は間違いないです。

IC13の7417の出力が変に見えたので、取り外してもチェックしてもICチェッカーでは異常なしでした。ソケット化して戻してみたところ画面の向きが正常になりました。

フラットケーブルの接触だったと思い、接点洗浄剤を拭いていったん修理完了としました。

後日立ち上げるとまたフリップしっぱなしでした。流石にこれはフラットケーブルの接触ではないと思いますので、オシロスコープ片手に本格的に調査してみます。

画面反転の信号は『スペースインベーダー』の回路図上だと文字通り「VIDEO INV」でした。下ボードのIC15=74LS86の(1)へ信号が来ている模様なので、とりあえずここの波形を見てみます。

正転と反転はONかOFFしかないので、波形が浮いているというのは異常です。この信号は下ボードより上流、つまりは中央のCPUボードから来ていますので、パターンを追いかけていきます。

VIDEO INVの信号が来ている所のみハンダが付いていません。ハンダ割れとかではないので製造ミスの可能性が出てきます。基板が製造されてから約43年、ゲームセンターやマニア、そして基板屋でそのままだったのかと思うと感慨深いです。

念のため多めにハンダを盛っておきました。

衝撃を与えても問題なく画面が正常に出ています。

下ボードのIC15(1)の波形はGNDに落ちていました。2Pスタート時にはHIGHになっていたので修理完了でしょう。

2PのI/Oがスタート以外反応しなかったので、付属のハーネスを見てみたら1P部分のみの配線がされていました。付属のハーネスはチェック用でしかないので、ここに対してはそんなものだと思います。

2Pの上下左右とワープボタンが反応していますので、これで修理完了とします。引っかかると銭形にすぐ捕まるので4方向レバーで遊んだ方がいいでしょう。

【作業内容】
・フラットケーブル接点洗浄
・中央ボードのフラットケーブル部分にハンダを盛る
・付属のJAMMA変換ハーネスへ2P部分の配線