ナムコ 『マッピー』 (バリーミッドウェイ版) の修理

未チェックの海外版『マッピー』を預かりました。今までの経験上はこの小サイズナムコ基板は壊れにくい印象です。豚毛のハケで埃を払ってからスイッチオン。

この画面で止まります。止まるということはCPUボードが原因のはずですが、キャラもおかしいのでビデオボードにも故障があるように見られます。幸いにもSRAMは全てソケット化されているので、チェック機で確認していきましょう。

ビデオボードのTMM2016(6116)が3個も死んでいましたので、手元の6116へと交換しました。CPUボードのSRAMは全て問題無い模様です。

起動しないということでCPUのリセット信号(37)を見てみます。6809基板のリセット信号を見たのは起動しない『タイムパイロット’84』以来です。メイン側はHIGHになっていましたが、サウンドCPU側がLOWでした。ここがまずおかしいので調べてみましょう。

回路図上ではSUBRESETとある信号は2Mの74LS259(10)から出ています。そもそもこの259の出力が全てLOWですが交換しても変わりませんでした。動作品の基板と見比べると(14)のLTWRという入力信号がおかしいので、これがLOW出力の原因でしょう。

2M(10)は1MのPAL”SPC-5″(14)に繋がっています。この入力波形を調べると(5)(7)(8)(9)(11)に異常が見られます。(5)は2BのPAL”SPC-6″へ繋がり、残りは1Lの6809EのR/W、SA15、SA14、SA13へと繋がっています。また1Kの2764(3)(4)の波形も浮いていたので、CPUが悪さをしている可能性が高まってきましたため交換しました。

次は”SPC-6″の入力を見ていきます。

(5)(6)(7)(8)(9)(11)の波形が浮いていました。波形の出本を見てみると左からメインCPUのMA11(19)、MA12(28)、R/W(32)、MA15(23)、MA14(22)、MA13(21)に繋がっています。どうやらメインCPUにも問題があるようなので、手元の新品と交換しました。

直って欲しいという期待を込めてスイッチオン。

立ち上がりましたが、色が少しくすんでいるのが気になります。ニャームコがGOROとなっているのは海外版だからです。そしてゲームを開始すると音が出ていません。オーディオプローブ片手に早速見てみましょう。

まずボリュームの回転部分がもげていました。1KΩとあるので、手元の普通のボリュームへと交換しました。そしてボリュームを付けて最大に回しても音が小さかったので、これは流石にコンデンサでしょう。

オーディオプローブで当たってみるとC29は音が出るのにC30は音が出ていません。47μFのチューブラ型はなかったので、ひとまず手元のコンデンサへ交換しました。音声はしっかり出るようになり、ついでに色のにじみも改善しました。

ベルが出る面まで遊びましたが特に異常は見られませんでした。これで修理完了とします。

【作業内容】
・2016交換x3
・6809E交換x2
・ボリューム交換
・コンデンサ交換