未チェック品の『ムーンエイリアン パートII』の基板を入手しました。『ギャラクシアン』よりもヤケクソな改造のされている今作に興味があったので嬉しい入手です。
ピン配列が純正『ムーンクレスタ』とも違う独自の配線です。配線図もないのでICからGNDと+5Vを割り出し、アンプから12Vを割り出します。その結果、左の6pinが電源周り、次の2pinは音声と判明しました。
通電してオシロスコープで当たると電源でない6pinの一番左からSyncが出ており、syncの隣3つが映像、一番右がビデオGNDと判明したので改めてスイッチオン。
音と映像が出ていますが立ち上がっていません。
リセットの信号が上下に動いているのでウォッチドッグ関連のICをチェックしますが、故障しているICが見当たりませんでした。
サブボード「AL-12B」の右端に-5Vと12Vと印刷されていますが、どこにも繋がっていないので配線しました。-5Vは電源の6pinからは来ていないので25pinの23から取っています。
サブボードに搭載しているEPROMの2708は駆動に-5Vと12Vが必要です。そのためこのような配線がされていたのでしょう。『ギャラクシアン』は2716のはずですが、『ムーンベース』の時に余った2708を再利用しようとした結果の2708採用だったりするのでしょうか。『早押し対戦クイズ ハイホー2』のROMシールが『ムーンベース カラー』と『ムーンエイリアン』の流用だったのを思い出します。
なかなかのレアケースだと思いますが、参考になればと思い該当箇所の写真を掲載しておきます。
ここまでの進捗です。入手当初の基板の写真を撮影していませんでした。右上の「G.G.I CORPORATION」の文字が眩しいです。GGIの『ギャラクシアン』のコピーを元にニチブツから改造キットを買ったとかそういった経緯かもしれません。
よく見ると左上のIC(74S201N)が無かったので注文して付けましたが、特に症状は変わりませんでした。
SRAM類も全てチェックしましたが全て無罪だったので、もう残るはEPROMくらいしかありません。2708の読み書きにはそこそこいいお値段のアダプタが必要となり、EPROM以外の可能性を疑っていましたが、これはもう2708のプログラムROM以外無いと思います。
という訳で2708アダプタを輸入しました。吸い出したところプログラムROMの3と7が死んでいましたので焼き直します。
起動しました。恐らくRGBの配線も合っているはずです。ここまで来たらもうウイニングランなので、25pinの配線図を追うだけです。
追いかけた結果をまとめました。ハーネスがなくて困っている人は参考にどうぞ。
最終的にこのような形になりました。3と7のROMシールは元から剥がし、セロテープで留めています。
3面クリアまで遊びましたが、特に異常な動作は見当たらなかったのでこれで修理完了とします。起動が怪しい時はまずプログラムROMを調べてみよう、というのが今回の教訓です。それと古い基板を扱うなら2708の読み書き環境はあったほうが絶対に良いです。
【作業内容】
・サブボードとのジャンパ追加
・欠品していた74S201Nの追加
・プログラムROM焼き直し