電池部分が腐食しており、音が出ないジャンクのMV-1Fマザーを購入しました。安いときは1000円だったネオジオマザーも年々相場が上昇し、電池由来の故障も比例するように増えてきています。電池由来の故障とは一回どういったものなのか実際に見てみましょう。
こちらが届いたMV-1Fマザーです。カートリッジを差し込む部分の下に電池があるので、まずはこのガワを取り外します。電池部分は写真だと右上に位置しています。
写真の通りバックアップ用の電池が粉を吹いて周辺をズタズタにしています。付いていてもいいことがないので、電池を取り外します。
バックアップ部分の裏は、両面テープでスポンジが張付いています。半田付けに邪魔なので、今回はシール剥がしを使って剥がしました。
綺麗に剥がせたので、早速電池を取り外しましょう。
電池を取り外しました。見た限り電池左と下のパターンがかなり痛んでいます。この粉をエタノールで清掃してみます。
大分綺麗になりましたが、そこまででは・・・といった状態です。電池すぐ下のSRAMはかなり被害を受けています。脚も大分腐食しており、そのまま使い続ける理由もないと判断したのでSRAMを取り外してみました。
スルーホールが抜けずに取り外すことができました。ここまで来たら洗浄しても大丈夫だろうと判断し、ママレモンと刷毛を使い洗浄。この日の作業はここで終了です。
ママレモンで洗い、半日自然乾燥させた基板です。
大分綺麗になったので、ソケットを付けて6116を装着します。これで当初の状態に復帰となります。
立ち上げると、確かに入力を含め「サウンド以外」の動作は問題ありません。Webにある回路図を元に絞っていきましょう。
サウンドはこの丸で囲まれた部分で主に動いています。電池周辺(右上)とそうでない部分(左下)部分を繋いでいるYM2610→YM3016の間を調べてみます。
上がYM2610(64)のクロック出力、下がYM3016(5)のクロック入力です。波形が一致していないので、断線がある模様です。直結すると音が出るようになりましたが、正常な音声が出力されていません。
断線が疑われているSRAM上のパターンを見ていきます。回路図を見るとSRAMのデータ(9)~(17)がボロボロのパターンを通ってカスタム(NEO-C1)の(74)~(83)に繋がっている模様です。
テスターで当たってみると6116の(13)(14)(15)が断線している模様です。カスタムの上に直ハンダするのも気が引けたので、導通していないスルーホール間を線で繋ぎ、グルーガンで固定しました。その右のジャンパは何故かGNDが切れてたので繋いだものです。
3つのパターンを繋ぐと正常な音声が再生されました。ステレオハーネスを作成し、音声出力を確認したので、これにて修理完了とします。
【作業内容】
・電池の取り外し
・基板の洗浄
・SRAMの交換(おそらく不要)
・パターン切れx5の修復