タイトー 『ルナレスキュー』の修理

起動したら画面が化けていた『ルナレスキュー』をお預かりしました。写真に写っている一番上のボードはサウンドボードですが、『スペースインベーダー』からかなり手が入っています。

よく見るとボリュームが破損していました。昔のタイトー基板はボリュームが垂直に付いているので、どうしても破損しやすいと思います。『ドンキーコングJr.』の修理の時にまとめ買いした50kΩのボリュームへと交換します。

PC-8001のグラフィック画面のような絵が出ています。デモ画面は途中で右半分が大きく乱れるので、なかなか一筋縄ではいかなさそうな雰囲気です。

『ルナレスキュー』は『スペースインベーダー』と同じ基板だから使えましたが、ミッドウェイ版2枚目の『スペースインベーダー パートII』の時に使ったテストROMを使うと、この画面を最後に再起動します。この画像からするとDRAMは問題なさそうに見えます。

直った『パートII』の上ボードと中ボードを使って起動しても画面が化けているので、下ボードに原因があることは間違いないでしょう。

直付けされているROMは手を付けたらどうにもならなさそうなので、ソケットに付いているEPROMのチェックと白ソケットの交換を行ってみます。

今までよく動いていたなあと思いますが、パキパキに脚が折れています。脚を補強してチェックしてみましたが、「RE 17/18」が2バイト違うくらいであとは問題ありませんでした。

白いソケットも交換してみました。立ち上げてもキャラ化けが直るわけでもなかったので、予想はハズレということになります。全体のパーツ数も少ないので片っ端から調べてみようと思います。

IC17の7486へ入力が来ているのに、出力はHIGHになっているので変です。他の出力もHIGHだったりLOWだったりしたので、壊れているのは間違いないです。

外してチェックするとパターンごと取れそうだったので、切り飛ばして交換しました。

キャラ化けが直りました。スプライトがない基板なので今までと勝手が違うだけでなく、今回はテストROMもそこまで役に立たなかったので苦労しました。RAMとシフターと音のチェックにはいいと思います。ただ症状の切り分けには使えるので、万能薬という扱いではなく使い方次第でしょうか。

1面クリアまで遊び、しばらく放置しましたが問題ないのでこれで修理完了でしょう。「RE 17/18」は2バイト違いましたが、こうして立ち上がっているのでバージョン違いでしょうか。

【作業内容】
・破損したボリューム交換(50kΩ)
・EPROM脚補修
・ICソケット交換(不要の可能性が高い)
・7486交換

後日また壊れました。グラフィックが連続して出るという不具合です。

チェックROMを使っても同じ表示であり、RAMはOKと出ています。サウンドボードやCPUボードではなく下ボードのTTLに問題があるとまで絞り込めます。

片っ端から調べた方が早いと判断したので、TTLの出力を調べてみることにしました。IC27の7483(2)の波形が変です。

74LS83を注文したので交換してみます。

直りました。以前直したICの真横というのがちょっと気になりますが、問題無く動いているのでヨシでしょう。ちょっと付けっぱなしにして様子を見てみます。

8時間ほど通電していますが特に問題がなさそうなのでこれで修理完了とします。

【作業内容】
・7483交換