アルファ電子 『チャンピオンベースボール パート2』の修理

『チャンピオンベースボール パート2』の基板を入手しました。基板に貼られている「M6000146D」「M6000187A」というタイトーの管理シールが一番珍しい気がします。

タイトー版のマニュアルも純正で付いてきました。基板よりもタイトー管理シールとマニュアルの方が価値がある気がします。ハーネスは『タルボット パート2』の時に作ったので、早速基板を立ち上げてみましょう。

サブボードへのジャンパが取れていたので戻してから立ち上げた瞬間です。

・スプライトは出るが色が変
・背景は出ない
・PSGはノイズしか出ない
・音声はかすかに聞こえる
といった具合です。

サブボードがゆるゆるだったので、片側ソケットを取り外して平ピンソケットへと交換しました。

端子が汚かったので万能Jr.くんで磨いていきます。磨いた布が真っ黒になっていたので、かなり汚れていたのでしょう。

色は正常になりました。一番楽そうな音声周りから手を付けようと思います。

回路図を見るとLM324を出たり入ったりしていました。(7)からは音声が出力されていましたが、最終出力先の(1)からは音声が出ていなかったので、LM324の故障で間違いないでしょう。(使われていたのはHA17902P)

『エキサイティングサッカー』のジャンクから拝借したLM324Nに載せ替えたところ、あの合成音声が高らかに鳴り響きました。

続いてノイズ音が出っぱなしのPSG音源を見ていきます。AY-3-8910の音声出力端子であるANALOG CHANNEL A(4)、B(3)、 C(38)にプローブを当てるとノイズだらけ、別のAY-3-8910に交換しても同じなので、音源は無罪と判断しました。

回路図を見るとデータ転送を制御する信号である(27)のBDIR、(29)のBC1が入力なので、この波形を調べていきます。

信号が浮いていました。パターンを追いかけると7Aの74LS00(12)からC9の74LS00(3)と繋がっていますが、7AとC9のパターンが切れていました。

ジャンパするとノイズは出なくなりましたが、引き続き音は出ていません。74LS00の(3)は出力、(1)と(2)が入力なので、ちゃんと信号が入っているか見てみます。

こちらも波形が浮いていました。パターンを追いかけると5Dの74LS139(10)に繋がっていますが断線していました。

問題なくBGMが再生されるようになりました。残るは背景類が一切出ない問題ですが、これもパターン切れが原因ではないかと推測します。

片っ端からオシロで当たってみると、8Dと8Eの74LS366(1)が浮いていました。パターンの先を調べるとまたしてもC9の74LS00、(6)と繋がっていました。 

またここか・・・と思いながらジャンパさせます。

予想通り背景類が全て表示されました。もしかしたら・・・と思い6つ並んでいる2114を外してチェックしたりしましたが、直ったので結果オーライです。

【作業内容】
・ソケット交換
・端子磨き
・LM324N交換
・パターン修復