タイトー 『マリンデート』の修理

「キャラ化けするし、入力もおかしい気がするから見て欲しい」ということでタイトーの『マリンデート』を預かりました。

貰った配線図を元にトラックボール以外の配線をしたところ、絵が出ましたがコインが入りません。これはコインカウンタ関連だろうと判断したので、サービスを配線して先に進めます。ゲームスタートは2Pのみ効く、サメが出ると最短でタコスミが出るというのはおかしい挙動です。

DIP 1-3をOFFにするとテストモードに入るのですが、見ての通り1Pと2PのSTARTとINKが押しっぱなしになっていました。

何も押していない時はHIGH、押すとLOWだったはずですが、波形が浮いています。

信号を追いかけるとここの集合抵抗に辿り着きました。

裏面はジャンパがクロスしています。ここはそういう仕様なのでしょう。

取り外して抵抗値を測るも、抵抗値に問題は無かったのでここは無罪でしょう。

そうなると集合抵抗の先に繋がっているタンタルコンデンサが怪しいです。とりあえず1個外してみてテストモードに入ってみましょう。

1PのINKだけ未入力と出ました。どうやらこの1μFのコンデンサが故障の原因でしょう。

タンタルコンデンサを4つ交換しました。

ちゃんとボタンを押したら○が付いたので、これで修理完了でしょう。

この辺の接触が不安定だとのことだったので、面倒ですが一気に交換していきます。

交換しました。古い上に片側ソケットもあったので、換えた方が良かったでしょう。

デモを回しても特に異常はなさそうなので、一旦これで修理完了とします。コイン周りは実際に筐体に入れて確かめます。

筐体だと問題なく動いた・・・とのことでしたが、しばらくすると入力が勝手に入るということで再修理です。

確かに暖まると入力が勝手に入ります。

交換したタンタルコンデンサを見直してみましたが、GNDの位置が異なるのにコンデンサが左右対称に付いていないのはおかしいはず。電圧の高い方が+という考えだと、そもそもこのコンデンサの位置がおかしいという結論が出ます。

このタンタルは入力の保護に使っているものと判断したので、極性のないセラミックコンデンサへと交換しました。

2時間放置しても勝手に入力が入らないので、これで改めて修理完了でしょう。

たまにキャラ化けが起きるということで、中央ボードのソケットを交換しておきます。

Z80がソケットの上からハンダで付いているという謎処理がされていたので、こちらもソケットを交換しておきます。

多分これで大丈夫でしょう。どこかで稼働することを願って修理完了とします。ちなみにコインはコインボックスを閉めた状態で入りました。どこかをジャンパするとスタンドアロンで行けると思いますが配線図がないのでこのまま。

【作業内容】
・JAMMA変換ハーネス作成(TB部分以外)
・タンタルコンデンサ交換x4
・下ボードソケット交換x11
・タンタルコンデンサをセラミックコンデンサに交換x4
・中央ボードソケット交換x2