この修理日記の常連とも言える未チェックの『スペースインベーダー』シリーズ、今回は『スペースインベーダー パートII』です。過去ログ的な紹介ですが、eBayで拾ったジャンク、1セット購入したジャンクの修理はこちら。
とりあえず動作品と組み合わせて上中下のボードをそれぞれ見ていきます。
まずは上ボードだけ起動して入れ替えてみると起動しません。上ボードが壊れているので見てみましょう。
暫くそのまま放置しているとテストROMが立ち上がっていました。音が一部鳴っていませんが、立ち上がらない問題を先に解決します。
ちょっと放置してから通電するとまた立ち上がりません。
時間が経つと起動する・・・という所からコンデンサを一通り交換してみると安定して起動するようになりました。
音声不良に話を戻すと、自機死亡音、インベーダーヒット音、エクステンドが鳴っていません。
自機死亡はIC26,IC27のLM3900、インベーダーヒット音はIC29,IC30のLM3900を交換すれば直りました。ただエクステンド音はLM3900を使っていないので、もう少し回路図を見てみます。
IC12の出力からエクステンド音が出るとあります。その一つ手前にあるIC17の556からIC12の74LS11(2)へ信号が入っていますが、74LS11(12)からの出力は何もありません。
IC12の74LS11を交換したところ、無事にエクステンド音が鳴りました。シフターもOKと出たので上ボードはこれで大丈夫でしょう。
中ボードは8080(7)の脚が切れていたので交換しました。その内壊れるだろうということで、定番のCPU近くのタンタルコンデンサも交換します。
下ボードはクロックに問題があるようです。テストROMを挿すと音は出ているので、映像が出ていないということでしょうか。
IC6の74161(14)がLOWというのはおかしい気がします。ただ74161(LSにするとダメっぽい)を交換しても変化はありませんでした。
IC12の7400(9)には波形が来ていますが、(8)がHIGH固定です。交換しても変化はないので、波形の来ていない(10)が怪しいでしょう。
7400(10)はIC4の7474(8)から来ています。回路図を見ると信号がIC6とIC4をグルグル回っているので、とりあえずこのIC4を交換してみます。
映像が出ましたが同期が取れていません。
同期信号=”COMP SYNC”を追いかけると、IC11の74LS55で合成されています。74LS55へ入っている信号の内、(4)がいわゆる波形ではなくLOWだったのでその先であるIC1の74S04(6)を追いかけます。
IC1の74S04(5)(6)がそれぞれLOWです。(5)がLOWなら(6)はHIGHにならないとおかしいはずです。74″S”04はちょっと貴重なので、念のため取り外してチェックしてみることにしました。
案の定壊れていました。『ゲットスター』の時に買った74S04を取り付けます。
同期もバッチリです。これで上中下全てのボードが直ったことでしょう。
組み上げてROMを『スペースインベーダー パートII』に戻しました。起動確認が取れたのでこれで修理完了とします。『インベーダー』は古いだけあり壊れやすいなあと思います。
【作業内容】
・コンデンサ交換
・LM3900x4交換
・74LS11交換
・8080近くのタンタルコンデンサ交換
・8080交換
・74161交換(不要?)
・7400交換(不要?)
・7474交換
・74S04交換